氷上からサーキットへ!小塚崇彦の現在とトヨタ社業、指導者の道
小塚 崇彦 現在の姿に、かつてのフィギュアスケートファンだけでなくビジネス界やモータースポーツ関係者からも熱い視線が注がれている。2010年のバンクーバーオリンピックで8位入賞を果たし、世界選手権銀メダルや全日本フィギュアスケート選手権優勝など数々の金字塔を打ち立てた名手が、競技用スケート靴を脱いでから年月が流れた。しかし、彼の挑戦の舞台は狭まるどころか、氷の上を飛び出し、驚くべき広がりを見せている。
アスリートの引退後といえば、プロスケーター一本に絞るかタレント活動へ転身するのが王道とされてきた。だが、小塚 崇彦 現在の活動領域はそうした固定観念を鮮やかに打ち破る。大企業での会社員としての社業、過酷なサーキットを攻め立てるレーシングドライバー、そして最先端のフィギュアスケートを精緻に読み解く解説者。三足の草鞋を履きこなす彼の生き様は、現代のアスリートキャリア論にまったく新しい風を吹き込んでいる。
トヨタ自動車での社業とモータースポーツへの本格参戦
小塚崇彦の生活の基盤を支えているのは、現役時代から所属するトヨタ自動車での勤務だ。単なる名誉職や広告塔ではない。実際にオフィスへ出社し、スポーツ強化や地域貢献、イベント企画などの実務に携わるサラリーマンとして汗を流している。
さらに周囲を驚かせたのが、モータースポーツへの本格参戦だ。国内最高峰のワンメイクレース「TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup」などにドライバーとしてエントリーし、時速200キロを超える極限のスピードバトルに身を投じる。「氷上でのエッジコントロールと、タイヤのグリップ限界を感じ取る感覚には深い共通項がある」と語る通り、フィギュアスケートで培った類まれな空間把握能力と繊細な身体感覚が、アスファルトの上でも見事に発揮されている。
2026年を見据える解説者・指導者としての確固たる手腕

元五輪フィギュアスケート日本代表・小塚崇彦の現在を語る上で欠かせないのが、進化し続けるリンクサイドでの活動だ。特に2026年のミラノ・コルティナ冬季五輪を控える重要なシーズンにおいて、彼の技術解説は専門家からも絶大な信頼を寄せられている。
NHK BSの中継やフジテレビ系列の配信プラットフォームFODでの解説において、小塚の語り口は極めて明快かつ論理的だ。スケーティングの軌道、エッジの深さ、遠心力の使い方など、力学的な観点からジャンプやステップの成否を解読する。単なる感情論に終始しがちなスポーツ中継において、彼の客観的なアプローチは視聴者に本物の見る目を与えてくれる。また、全国各地でのスケート教室や若手選手への直接指導を通じ、未来の日本代表を育てる指導者としての基盤も着実に固めている。
プリンスアイスワールドで見せる円熟のスケーティング技術

プロフィギュアスケーターとしての表現力も、年を重ねるごとに深みを増している。日本屈指の歴史を誇るアイスショー「プリンスアイスワールド」などの舞台において、小塚の滑りは観客の目を釘付けにし続けている。
現役時代から「世界一」と称賛されたクリーンなディープエッジと、滑らかな一蹴りでリンク全体を滑走する圧倒的なスケーティングスキルは健在だ。ジャンプの高難度化ばかりが注目されがちな現代において、氷を削る音すら立てずに加速していくその滑走は、まさに職人芸の領域にある。自ら開発に携わった「小塚ブレード」の普及活動も含め、道具と身体の調和を追求する姿勢はブレることがない。
日本スケート連盟とJOCの枠組みを越えたスポーツ界への貢献
小塚の視座は、自身の活動領域だけに留まらない。日本スケート連盟の普及事業や日本オリンピック委員会(JOC)のオリンピアン事業など、組織の垣根を越えたスポーツ振興活動にも深くコミットしている。
オリンピアンとしての経験を次世代へ還元するだけでなく、アスリートの権利向上や引退後のキャリア支援といった構造的な課題にも切り込む。勝敗だけにとらわれないスポーツ本来の価値を社会へ届けるため、教育機関での講演や自治体と連携した地域活性化プロジェクトにも精力的に登壇。現場で培った生の声を行政やスポーツ組織に届けるパイプ役を果たしている。
YouTubeとデジタルメディアで展開するスポーツジャーナリズム
テレビやラジオといったマスメディアだけでなく、自身のYouTubeチャンネルやWEBメディアを通じた発信にも余念がない。彼が展開するスポーツジャーナリズムは、タブーを恐れず本質を突く切れ味を持つ。
全日本フィギュアスケート選手権やグランプリシリーズの裏側、採点システムの変遷、選手たちのコンディショニング事情まで、当事者にしか語れないリアルなインサイトを独自の切り口で発信。ファンからの質問に率直に答える双方向のコミュニケーションを展開し、硬軟織り交ぜたコンテンツで新たなファン層を開拓している。
限界を決めない男・小塚崇彦が示すセカンドキャリアの未来図
アスリートの引き際は、往々にして喪失感とともに語られがちだ。しかし小塚崇彦の歩みは、引退が「終わり」ではなく「多面的な才能の解放」であることを雄弁に証明している。
トヨタ自動車でのビジネスパーソンとしての責任、サーキットでのスピードへの挑戦、そしてフィギュアスケートの未来を紡ぐ指導・解説活動。一つの肩書きに収まらないその生き様は、競技人生を終えたすべてのアスリートにとっての希望の道標だ。銀盤で頂点を極めた男の次なる物語から、今後もしばらく目が離せそうにない。 (出典: 小塚 崇彦 現在(Yahoo!ニュース))