わくわくさんの現在!世代を超える工作の魅力と動画配信の舞台裏
わくわく さん つくっ て あそぼという響きを耳にするだけで、赤いポロシャツに丸メガネの笑顔、そしてリズミカルに紙を切るハサミの音が脳裏へ鮮やかに立ち上る人は多いはずだ。日本放送協会(NHK)が長年放送し、多くの子どもたちをテレビの前に釘付けにしたあの時間は、単なる工作の実演ではなく、何気ない日用品が宝物へと生まれ変わる魔法の劇場そのものだった。
かつて夢中で画面を見つめていた世代が親となった今も、わくわく さん つくっ て あそぼが遺したモノづくりの精神は色褪せることなく、親から子へと受け継がれている。既製品のデジタル玩具や動画コンテンツが溢れる時代だからこそ、自分の手で試行錯誤しながらハサミを動かす手の感触が、いま再び見直されている。
丸メガネと相棒ゴロリが築いた金字塔!『つくってあそぼ』の軌跡

1990年に放送を開始した『つくってあそぼ』は、前番組『できるかな』のノッポさんからバトンを受け継ぐ形でスタートした。無口な前任者とは対照的に、俳優の久保田雅人演じる「わくわくさん」は親しみやすい語り口で視聴者に語りかけ、工作の楽しさを等身大で伝えた。
熊の男の子「ゴロリ」との掛け合いは絶妙だった。少し不器用でお茶目なゴロリが失敗し、わくわくさんが機転を利かせてリカバリーする。NHK Eテレを代表する教育番組として、ミニ番組『つくってワクワク』とともに2013年まで23年間愛され続けた。子どもたちに「自分にもできるかもしれない」というワクワク感を与え続けた功績は計り知れない。
伝説の工作番組『つくってあそぼ』のわくわくさんの現在とは?2026年の最新活動とYouTube裏話

テレビ番組の放送終了から長い年月が経った現在、久保田雅人はどこで何をしているのか。彼は今もなお、全国各地を駆け巡る現役の工作伝道師だ。幼稚園や商業施設でのライブ工作ショー「わくわくさんの工作教室」は常に満席で、親子連れの熱気で包まれている。
さらに近年、大きな話題を呼んでいるのがYouTubeでの精力的な発信だ。動画制作の裏側では、テレビ時代と変わらない徹底したこだわりが貫かれている。CGや派手な編集に頼るのではなく、手元の動きをワンカットで丁寧に見せるスタイルを死守。久保田自身が「子どもが動画を一時停止しながら自分のペースで作れるように」と、撮影のスピードや角度を細かく調整しているという。画面越しでも伝わる手作業の温かさが、往年のファンだけでなく現代の子どもたちの心をも掴んでいる。
失敗こそ最高のアイデア!幼児教育と工作・DIYを革新した独自の哲学

わくわくさんの工作が幼児教育の専門家からも高く評価される理由は、完成度の高さを競わない点にある。使われる素材は牛乳パック、トイレットペーパーの芯、紙コップ、輪ゴムといった、どの家庭のゴミ箱にもある身近な廃材ばかりだ。
工作・DIYの過程で紙が破れたり、テープが歪んでしまったりしても、わくわくさんは絶対に「失敗」とは言わない。「曲がっちゃったなら、新しい形にしちゃおう!」というポジティブな転換こそが、子どもの自己肯定感と柔軟な発想力を育む。決められた正解をなぞるのではなく、試行錯誤そのものを楽しむ姿勢こそが、彼が伝え続ける教育哲学の神髄だ。
今すぐ真似できる!家庭にある身近な素材で楽しむ限定工作テクニック
特別な道具を買い揃える必要はない。家にあるものだけで数分で作れて、驚くほど盛り上がる代表的な工作テクニックを紹介しよう。
まずは定番の「紙コップジャンプトイ」。紙コップ2個と輪ゴム2本を用意し、1つのコップの縁に4箇所切り込みを入れて輪ゴムを十字にかける。もう1つのコップに重ねて指を離せば、ゴムの力で天井近くまで勢いよく飛び上がる。切り込みの深さを変えるだけで飛び方がガラリと変化するため、子ども自身が「どうすればもっと高く飛ぶか」を考える実験へと発展する。
もう一つの人気作が「牛乳パックのブーメラン」だ。パックの側面を十字に切り抜き、羽の端をわずかに指で斜めに曲げる。手首のスナップを利かせて水平に投げると、見事に弧を描いて手元に戻ってくる。高価な知育玩具を買わなくても、ハサミの入れ方ひとつで劇的な変化を生み出せるのが手作り工作の醍醐味だ。
テレビからネットへ:NHKエデュケーショナルの歴史と放送業界の変化
『つくってあそぼ』の制作を支えたNHKエデュケーショナルは、半世紀以上にわたって日本の幼児向けコンテンツを牽引してきた。しかし、近年の放送業界は大きな地殻変動の渦中にある。受動的にテレビ画面を眺める時代から、タブレットで好みの動画を能動的に選択する視聴スタイルへとシフトした。
この変化の中で、わくわくさんのようにテレビの枠組みを飛び出し、自らネット空間でファンと双方向につながる動きは、教育コンテンツの新しいあり方を示している。プラットフォームが地上波から配信へ移り変わろうとも、本質的な「手触りのある学び」を求める親子のニーズは微動だにしていない。
世代を超えて受け継がれるモノづくりの魔法:これからの子どもたちへ
AIやバーチャル技術がどれほど進化しても、ハサミを握りしめて紙を切り落とすときの心地よい手応えや、テープが指にくっついて悪戦苦闘する体験を代替することはできない。
かつてわくわくさんからモノづくりの火種を受け取った大人たちが、今度は自分の子どもと一緒に紙コップを手に取っている。世代を超えて受け継がれるその笑顔の連鎖こそが、ひとつの番組が日本のカルチャーに残した最大の遺産と言えるだろう。身近な廃材に命を吹き込むあの魔法は、これからも決して色あせることはない。 (出典: わくわく さん つくっ て あそぼ(Yahoo!ニュース))